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二十吟(続) ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

二十吟(続)のページです。

二十吟(続)


あばれ鶴天下の凪の外に炎ゆ



鬱境や羽蟻透けゆき眼路も透く



おぼつかず境界霊と汀見き



物陰の十や二十が過去にある



越年や羽搏ち蚤を野に払ふ



野葡萄やおのれ解くまで滞る



悪銭を身につけ赤き銀杏を



かひやぐら周囲を食める善一生



この道が外道に岐れ薊咲く



烏賊好きのやがての燐を家に飼ふ







河に葬る駒鳥などや不遇われ



砂洲を消す河の世をゆく水めきて



生まれ地は河洲の脆さ山女啼く



河辺にて漱ぎ口より秋となる



あなうらの鱗笑へる渡河ならん



城装束と白装束遭ふ男坂



白桃のうぶげ夕時の因陀羅は



白白とくりかへし嘔き線となる



白さもて乞はれ眼ぞこ闇ふかし



白芒の泳ぐ野を死後厠とす





●以下は昨日の「未定」句会の提出句。
兼題は「河」「白」だった。
うち「あなうらの」は
高原耕治さんの示唆により
《あなうらの鱗笑へりわれの渡河》を改訂したもの

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2008年09月08日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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