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二十吟(続続) ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

二十吟(続続)のページです。

二十吟(続続)


白なまず真水を往きて白盲す



白なまず憂き水煙となる世まで



月界に糸の城あり町亡ぶ



貝の引く潮むらさき海の墓



遊女たれ銀の芒の泣き揺れは



海人(あま)睡る鯨なき世の銛ひとつ



産道に流星あつて忌みの明け



都鳥あばらを欠いて朝に満つ



珊瑚死の屍毒かなしき南指す



麩のみ食(を)す一季節あり減我境



灯ともさず暗誦のここ獣あり



絹を着る身に流れそむ砂金川



徒手のまま星井を過ぎて捨身美(は)し



ひそかにて秋うら返る反土星



犬の透く刹那みてゐる午前かな



揺籃期ゆれやまずして身のみどり



偽詩をなす身の荒れ藪を絶後といふ



凝視して秋野の奥が凝りたり



月裏の泪に女群似たるかな



するどさも重さとなりぬ刃こぼれて

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2008年09月09日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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