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まったく滂沱 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

まったく滂沱のページです。

まったく滂沱

【まったく滂沱】


始めあって、終わりあり
この定式の収まりのよさ
体温の花火もあり だから
躯の落ち着く汗ばみ同士が
ひっそりとさざめいて
川辺もそぞろ歩くのだが

「汗をかく人からいずれ目鼻も消える」
その感慨を 夜空に見ちゃった
俤だけが「流れるかたち」となって、
金魚日本、まったく滂沱じゃないか

ああ 成層圏の冥い西風、
ああ 六等星で此世の滲み、
体温にのみ還元された相手と
のこり幾たり連れ添えますか

愛恋は。別住の人生は。

突貫。ポケットに癇癪球を入れて
石ころだらけの下り坂中年を転げ走る
突貫。手に点火した線香を立てて
水底調査の気分 細窟に跳び回る
上澄みを刺青された祭というなら
不全の僕ら ゐました そこに

藁のようなものを背後に引き連れては
不意に百回前の季節にも出会うだろう
目の玉や金玉を緑チューブに塗られた無惨か
たった25回分で――砂金の身も垢だらけ
アスベストとなり ポイとなり
手探りの落丁ともなって(ボサボサの紙)
不全の僕ら ゐました そこに

(裏書して)(ここへ来て話そ)
接吻と同じ、あくまでも口承がルール

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2007年07月30日 日記 トラックバック(0) コメント(0)












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