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お知らせ+へばの ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

お知らせ+へばののページです。

お知らせ+へばの

 
三省堂『生きのびろ、ことば』
(小池昌代、林浩平、吉田文憲共編)が完成した。
詩に興味をもつひとに
詩作者がさまざまな切り口から平易に語るエッセイ集成だ。

「文語」「肉体」「挨拶」「間」「オノマトぺ」「方言」「死語」など、
その切り口も多彩で、
平田俊子、藤井貞和、小池昌代、杉本真維子、田口犬男、林浩平、
高橋順子、正津勉、吉田文憲、建畠晢、伊藤比呂美、四元康祐と、
錚々たる面子の居並ぶなかで、
その末席を僕の原稿も汚している
(目次で僕の名前が誤植されているのが少々残念)。

僕の担当は例によって「ネット詩」。
ただしSNSのユートピックな詩環境を綴った
「詩手帖」の原稿にたいし、
こちらは、詩の応募サイトの活況を中心にしるしてあるので
内容にはバッティングがないとおもう。
タイトルは「ナルシスから離れだしたネット詩」。
ぜひご覧あれ。

それと、この『生きのびろ、ことば』の姉妹本としては
『やさしい現代詩』(共編者は上と同じ)も出た。
こちらは詩の朗読録音CDが付いていて、
その歌詞カード、とでもいうように
朗読されたオリジナルの詩が収録されている。
面子は、

谷川俊太郎、平田俊子、田口犬男、小池昌代、伊藤比呂美、
佐々木幹郎、岬多可子、新川和江、稲川方人、安藤元雄、林浩平、
高橋順子、ねじめ正一、吉田文憲、藤井貞和、白石かずこ、入沢康夫。

稲川方人が珍しい、といえるかもしれない。

なお、この2冊の同時発売を契機にした
書店イベント(対談)もある。
詳細は--

○1/24(土)19時~ @池袋ジュンク堂
《ことばの力》をめぐって
前田英樹×吉田文憲

○1/31(土)19時~ @池袋ジュンク堂
わたしたちはなぜ詩を書くのだろう--女ふたりの現代詩
藤原亜紀子×小池昌代

どちらも先着40名/申込み先:03-5956-6111

前田さん、小池さんともに知己(というか同僚)。
なので僕自身、どちらかに行くかもしれない。



今日は一日、DVDで、というかたちだったが、
家で映画鑑賞モードだった。

観たうちでは、木村文洋監督の『へばの』が素晴しかった。
監督は井土紀州『ラザロ』の第一部『蒼ざめたる馬』に
企画者+スタッフとして関わった79年生のインディ作家で、
今回が初の劇場長篇作品(これ以前の作品も観たい!)。

感激して監督自身にさっき送ったメールを
とりあえず下にペーストしておきます
(いずれ詳細な映画評をどこかに書くことになるとおもう)。

あ、公開は1/31(土)~、
ポレポレ東中野でのレイト、ということです。



『へばの』、大傑作でした。

下北の冬の寂寥の風景、
そこに原発関連工場をはじめとした
奇怪な異化も加わり、
全体に情感の停滞・怨念・催眠性がある
(長回しもすごく効果的です)。
しかもそれが「愛のドラマ」と見事に直結している。
人が容易に消えるドラマと覚悟していると
ラスト、人が容易にも生まれた。
ところがその児には、プルトニウム汚染という
不安な紐もついていて・・・

ヒロイン西山真来の父が死んだのちの展開がとくに素晴しい。
吉岡睦雄が撃たれたシーンの解釈や
東京でのプルトニウム・テロの
犯人が誰かの解釈には
複数の解答が出るのかもしれないとおもいました。

風景>人間

という構図がこの映画をとくに哀切なものにしている。
ともあれラスト近くのカーセックスシーンは
あまりにも哀しく、胸に迫りました。

国映のピンク映画が90年代の半ばでほぼ終わった、
と考えている僕は、
それで日本映画の興味を失った面もあるのですが、
木村さんの作品は、その意味でも待望のものでした。

それと安川奈緒さんがコメントを書いていますが、
僕もヒロインに『秋津温泉』の岡田茉莉子を重ねました。
 

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2009年01月08日 日記 トラックバック(0) コメント(1)

 阿部嘉昭さま、本当にありがとうございました。

公開まであとわずか、頑張ります!


映画『へばの』、いよいよ1月31日(土)より3週間、ポレポレ東中野において、21:10-レイトショー上映します!

 初日は18:30より、松江哲明監督、花咲政之輔氏をお招きしてのトークショー、北村早樹子さんの公開ライヴなど、公開記念イベントから始めます。
 その他、2月に入ってからは、安川奈緒さんをはじめとする女性ゲストによるトークショーもありますので、是非HPをご確認下さい!

『へばの』公式HP
http://teamjudas.lomo.jp/

2009年01月09日 teamJUDAS URL 編集












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