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埴生の宿 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

埴生の宿のページです。

埴生の宿

 
ズルズルとまだ採点作業がつづいている。
結局、あすの最終提出日、学校の事務局に
採点票を手持ち持参ということになりそうだ。
ぎりぎりセーフのタイミング(旅行もあったし)。
とりあえずいまは最終段階、入門演習の採点中です。

これだけ採点が遅れているのにはいくつか理由がある。

① 文庫本にして百ページくらいの小説など、
非常識な分量(多すぎる!)の期末課題を出す徒輩がいる。

② 押尾学の事件がおもしろく、採点のかたわら
ワイドショーでのコワク的な事実判明に
昨日からずっと釘付けになっていて採点作業が手ぬるい。

タレント(俳優)のセックス管理、麻薬付セックス。
タレントに宛がわれた「銀座の女」がセックス事故で死んで
その後、そのチンピラタレントがどう卑劣に振舞ったか。
おもしろすぎる。絵に描いたような六本木闇社会だし。
ところで僕は90年代終わりに「矢田ちゃん命」だったから
とりわけ押尾の心証がわるいのだった。

③ カルボナーラが駄目な女房のために
チーズスパゲッティのレシピを昼は研究し、自ら食べていて
おかげで食後はたんまり昼寝しちゃっている(笑)。
なんかメタボまるだしの体型になりつつある。

ただ後期は椎名林檎の大教室授業があるので、
音楽モードにしようと
採点のかたわらCDをかけるようにしている。

ノスタルジックな気分で旧いロックをかけるうち
いまさらながらキンクスにハマる。
かつてもっていた『ソープ・オペラ(石鹸歌劇)』の
「スカイスクレイパー」がやっぱり名曲だとおもった途端
(もう泣ける--モータウン調ロックの最高峰で、
曲が一番二番単位で終わってゆくときの「解決」が神業だ)、
どうしてこのアルバムを手放したのかわからなくなった。

たぶんそのちょっとお前のロックオペラ、
『エヴリバディーズ・イン・ショウ・ビズ』の
音設計と曲が粗いのに辟易し、そのとばっちりで
『ソープ・オペラ』を『エヴリバディーズ』ともども
中古屋に売りに出したのだ(大学時代)。

これも改めて聴くと
『エヴリバディーズ』の音の粗さは
ピアノでアレンジの楽をしようとしたツケ。
アレンジにはおかげでフレージングがなく
コード構成音が乱暴に空中を漂うだけ(ストーンズみたいだ)。

このアルバムは記憶では
「ミュージックマガジン」で98点とか最高点に近い得票だった。
一方ずっと良い『ソープ・オペラ』は
86点とか低い点だったんじゃないかな。
ともかく70年代後半はキンクス評価が定まっておらず、
キンクスを聴いている大学生もただキンキィだったとおもう。

おかげで『プリザベーション第二幕』も買い損ねた
(『第一幕』は大好きなアルバムとして
まだLPで手許にのこっている)。
それでその『第二幕』は(これも改めて聴くと)
『ヴィレッジ・グリーン・ソサエティ』以来つづいた
キンクスのロック・オペラ・アルバムの最高峰じゃないだろうか。

ぼろいルーツ音で、ひねくれてわびしい貧乏オペラを
売れ行きも省みずによれよれ演っていたキンクスが
このアルバムで何かアレンジに執念をみせる。
キンクスらしくないほど音がかっきりしていて、
ここからクイーンなど後続バンドの方向性も確定したんじゃないか。

ともあれこれらのアルバムは早稲田のロック授業のとき
受講生から焼いてもらったもので、ずっとおきざりにしていた。
焼いてもらっただけなので歌詞カードもない。
たしかめてみたいなあ。

さて、近況報告のみで終わるのも何なので、
例のごとく受講生の期末提出物のうち
優秀なのをまた以下に転記打ちしておこう。
ラクをして、またも詩篇を。

最近は個人情報保護がいわれるので
イニシャル表記にとどめておこう。
ちなみに大学一年の♀です。
僕の詩がパッチワークされながらも
見事に換骨奪胎されている。



【埴生の宿】
R・N


肉が切れるほど
背中に思い切り爪を突き立てて、
朝から妻子のなさを
人詰め橋にたとえる。
蠱惑的な浅葱蛍に
ナツメヤシの冷水を発破して、
人間の皮膚の肌色をにた恨むのだ。
十月のしだれ雨の香りを
知人の手紙に垂れこんでは
人礫にさく甕覗の蔦に
金色の光を当ててしだれ泣く。
草と乳だけのスープ。
猖紅酒を鬱伊の胃に押しやって、
多摩川の口をすっぱ切る。
モーセ歩きに疲れては、
報いのなさを京箸に仕立てたが、
それなら一層、着られる人になって、
露草色の天を仰げ。
百尾狐と北へ旅して、
買わばや、下駄・
川端の底。
六月病に惚れられて、
肉桂の肉の意味を違える、
牝牛の濡れた瞳が悲しい。
従順な粘膜玉を如実に貫いて、
駱駝の尾っぽにあぎ慕う。
反復をくりかえす諏訪さになって、
死に至る病と見違えるキル天。
いよいよ踵、壁にそびえては、
明日、明後日、し明後日、
紙礫を勿忘草の天にほおり投げた。
儀佼精神の姉に助けられて
レトロ文体の漢詩を一発読みする。
若竹卓袱のがたぴしさに呆れ、
イワンとなく馬鹿さ加減の
馬の縞の等間隔。
肆意のかめる甲羅の上に、
ダウィンチ霧鬢の蒼に心が染まり立つ。
ぱじゃまの格子がさみしくて、
風雪宿屋で廊下を夢美走り、
土佐鶴の鍋に砂肝汁を加えて、
その女文字に期待をかける。
諂いの波に押し流されて、
言問橋で璃紺明日を
逃してしまう悲しさを
器量を身体で測って、
汚名返上に努めるまで。
飛蝗のはたはたに嫌気がさして、
興津の蝉色蟋蟀探しに明け暮れる。
諦念を違えたフロちゃんに
幻想の未来と強迫観念を与えて、
鸞台を忘れさせた。
今さら溜飲で胸がすく。



何という変な詩篇だ(笑)。
解読は無粋につき控えておくが、
うちこのフレーズが最高かなあ。ふたたび転記。

ぱじゃまの格子がさみしくて、
風雪宿屋で廊下を夢美走り、
土佐鶴の鍋に砂肝汁を加えて、
その女文字に期待をかける。
 

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2009年08月05日 日記 トラックバック(0) コメント(0)












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