テラチタ・テラトトレ2+椎名林檎
以前三村京子さんのために書いた歌詞を
この欄にも発表した。
歌詞の意図は
三村さんがピアノでつくった12音階ポップスにたいし
呪文のような「音素」を足してやろう、ということだった。
しかしさすがに発想がハードすきで
もっと可聴性を高めてほしいとリクエストがあって、
いまさっき直してみた。
直す過程でちょっと蕪村とかフォーク引用を入れたりして。
日本語の12音階ポップスという点では初期「さかな」もあるが、
ものすごい達成度をしめしていたなあと最近別のデュオで確認する。
石橋英子と吉田達也のデュオだ。
むろん三村さんの12音階はそれほどの峻厳さと緊張から離れ、
もっと「やさしい仕上がり」をみせるだろう。
今回のアルバムで僕はアドバイザーとして前面に出てない。
彼女が自発的にプロデューサーと動いている。
アルバム抄録曲決定のためのデモ音源を聴くと
たたずまいの端整なストレンジ・フォークミュージックが
見事に居並んで、なかなか壮観だ。
「ロックアルバム」のほうは結果、あとの製作になるが
まずは柄にあったほうからのこのアプローチが安全だろう。
その三村さんは、僕の今度の「椎名林檎講義」の
テクニカルアドバイザー。
コード解析などを頼んでいる。
昨日はじまった講義は休日授業ながら鈴鳴りの入りで、
笑いをまじえてはじまった。
『無罪モラトリアム』の曲を分析するために
川本真琴、aiko、矢井田瞳などを前振りにしたが
さっそく女子学生から
Cocco、CHARA、鬼束ちひろなどを比較アイテムに入れるべきだ
と意見が出される。
「アルバム貸して」と頼んだ。
授業はペース配分を失敗。
林檎曲は「正しい街」一曲だけの分析で終わってしまう。
あ、今回の授業、僕自身が自著
『椎名林檎vsJポップ』を参照していない。
気が向いたひとはもぐり歓迎です。
二回目からは極端な人数減になるともおもうので
ということで直したヴァージョンの
「テラチタ・テラトトレ」を
いきさつ上、下に掲げておきます
●
【テラチタ・テラトトレ】
くるめきマシーンで
眼を閉じたら
三半規管が
ケムリを巻く。
亜剌比亜風呂で
蝶を追う
わたしもまた、花。
おもかげ島を
凧がゆき
昨日の空、ゆめ。
雲が切れて
背伸びして見るは
此処の向こう――
幸〔サチ〕の夕つ方、
現在〔イマ〕のヒシガタ。
巻き時計
なおもグラモフォンか、
テラチタ テラトトレ。
*
嵌め込み模型に
火を向けたら
選り取りミドリも
朱色を嘔く。
おもかげ橋を
影がゆく
ひとりの恋、黒
みづうみ笛で
過去も吹く
ごにんの恋、青
空が切れて
ふりかえり見るは
夢の彼方――
性の夕つ方、
臨終〔いまわ〕のホシガタ。
物の怪
なおもサキスフォンか、
テラチタ テラトトレ。
照らした・地球(テラ)トイレ
ザワメキサンボで鉄拳を喰らわす
シニヤガレ!男供!
タバコは現金玉すだれ
「ぽこちん」
上記詩(テラなんとか)を要約してみました。
2009年09月24日 死にたい位の林檎ファン URL 編集