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永田耕衣風 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

永田耕衣風のページです。

永田耕衣風

 
 
【蓮者】


身の左右〔さう〕に絮翔びゆけり秋も春



ブーメラン鳥となりて釣銭掠む愉し



鰯雲みどりにみえて遺骸〔むくろ〕われ



海峡が蒼排尿の異名とて



釈迦寝する右足を掻くひだりあし



天装や湯女〔ゆな〕となるまで湯当りす



くろがねの秋水匂ふ天の肝



路銀みちて歩かずの秋哀しけれ



在血と呼ばるすなはち恋嚢〔ぶくろ〕



四階分ほどの乞食の高さでゆく



ブラックに脇破れゐてわれ蓮〔はちす〕



蓮者〔はすもの〕となりて天穢に薄れゆく



気絶しさうな蓮田だつたか天翔けて



北端やあの牛齢も光芒に



弁当ゆ辞典とりだす坐位すゝき




立教「俳句連句演習」では
以前この欄に掲げたプリントを見本に、
永田耕衣風に俳句をつくれという課題を出している。
理路が壊れてギョッとさせる句がほしい。
来週の演習時にあつまるだろうか。

とりあえず上のように自分の句をつくってみた。
縛りは五句だが物足りず十五句に。

じつは調子をあげるために
ネットでゲットしていた
最晩年の耕衣の句集を読みだしていた。
『泥ん』。
刊行時には胡散臭さを感じ購入を敬遠していたものだ。

わずかに頁を開くうち、矢も楯もたまらなくなった。
だれだ、「最晩年の耕衣は壊れている」といったのは。
秀句目白押し、開巻20頁強にしてかくのごとしだ。




落魄の地声発〔た〕ちけり大ざくら



薄氷を起こさんと我いつ為〔し〕たる



人生は満喫出来ん桜かな



我〔われ〕寝釈迦かも脇腹も蓬かな



菜の花や我が逃亡の枠照るも



熱燗も茄子のミイラも弦の如し



人寂し優し怖ろし春の暮



春水の柄杓古典と思うなり



鼻梁踏む音にかも似つ春の霜



火蛾の我〔が〕の終〔つい〕の溺れの白湯哉



蟇〔ひき〕老いて死欲〔しによく〕の空〔そら〕揃いけり



辣韮を食らい磨る歯や敵は我



空蝉のかなたこなたも古来かな



同じ世に肉美しき西日かな




この俳翁に自句はどれだけ迫りえているか
 
 

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2009年10月02日 日記 トラックバック(0) コメント(0)












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