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天川 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

天川のページです。

天川

 
 
【天川】


愛のふかい抱かれかたには
一定比率として
周がまばらになった古代円が混ざり
その枯葉だって門のあるかぎり
瀧のように
山坂をくだってくるのだ
多くは腕、多くはくちづけ
笛音は互いの
腕というか枝に沿い木霊した
ことばがきらいになって
できあがりつつある森も
多重の舌で虹を交わすだろう
瞑目なのに泣き眼に似てしまう
そうした感情の関節場所には
来季への日々もかさなってゆく
後ろからだって横からだって
「かさなるものはかさなってゆく」
そんな泪でできた枯葉だろう
性は奥なのだ、秋のように
人間考察すると

表層が迷宮だと知った
カサノバの恐怖によって
どだい愛の記載法も変化していた
からだの奥というものはない
性の奥だけがある
おまえはわたしでわたしはおまえ
それで転位の歌ともいうべき
無窮の流れもできて
その楽節の終止予感のために
接吻単位がくりかえし動員されて
領域、愛というべきここそこには
ことさら時間のカデンツァができてゆく
カメラでるる撮るんだ天川を
手管の装飾のなかに
そのからだが霞んでゆく経緯は
万人の共通にしてまた愛の特異
加齢しつつ子供のような声を出し
時間はなお多時間へと惑乱されてゆく
そんなこうふくのしるしだろう
久方ぶりにAV画像をみながら
受像機自体を泣かせたものは




昨夜の新大久保ネイキッド・ロフトでの
魚返一真トークイベントは
第三部になって
元・京浜急行社員、現ソフト・オン・デマンド社員の
細渕陽右がゲストとして出てきた。

見た目に折り目ただしい好漢だが
その折り目正しさをそのままに
ソフト・オン・デマンドの企画物AVの数々を
紹介営業する口吻に笑ってしまう。

その延長線上に彼の至芸があった。
彼は自在に、どのJR路線・私鉄路線であっても
状況に応じた車内アナウンスができるのだった。
アナウンス地点、急行鈍行の別、
事故発生など特異状況の加算ほか
自在に「設定」を変化させうるのだ。
マイクワークの巧みさもあって
むろん完全に「本物」に聴える。

なんという筋金入りの「鉄」、頭脳の柔軟性、
中川家・弟礼二の、例の芸の累乗化というべきものだろう。
彼はその芸で満場の客を完全にさらった。

その細渕さん、なんと
AV評論家時代の阿部嘉昭(一体いつだよ)の
大ファンなのだという。

それで壇上で紹介されたソフト・オン・デマンド作品の数々も
もともと「スケベな」阿部の
出演料の代わりとして供されるものと
あらかじめ決まっていたようだ。
イベント後に、細渕さんから「差し上げます」と畏まっていわれて
むろん嬉しく頂戴した。

で本日は、その細渕さんの心意気が午前中ふと蘇り
なすべき仕事をうっちゃって作品を見てしまう。
二本目にみたものがとりわけこの51歳には嬉しかった。

ただAVをみての反応がちがう。
大昔は○○をかいていた。
20年前はレビューを書き、
98年には『AV原論』という評論を書いた。
いまは――そう、上のように詩篇を書いたのだった。

素材になったのは『人間考察・天川るる』。
じつに「愛の深い」作品で、
生涯ベストテンに入るかも、とさえおもった
(久方ぶりで反応が大袈裟になっている可能性もあるが)。
 
 

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2009年10月07日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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