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秋交 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

秋交のページです。

秋交

 
 
【秋交】


昼のおわり秋の捨身は
ジュモンの門にもたれる

まったきが軒下を狙い
褪黄に染まってゆく

すでにして幾重にも
くさむらだろうわたしは

こめかみへ薄荷を擦って
残月の思念もうかべた

家族のひいた銀は
樹下で炭化するかも

人肌を背負い志を売って
ひるがえってゆく裾だ

いずれ透視のつづきで
円が線になるよう歩いた

日常のくらげだって笑む
実山椒の仄かな割れを覗き

女のようなものがひりり
秘密はおのずから盲化する

銀輪が往来する塀向うに
採譜のこころも消えて

その契機で旧知には逢う
一瞥で中心をえぐった

音群の茸に実が落ちる
ような四時の事故後

愛着も糸になりはじめる
被さっては対象田を刈った

数百回の干満があって
形も帆船を逃れられない

われら思想の不恰好は
見様では臨終の羽虫

やがて大団円が水澄む
なかに木霊もなく静かだ




「現代詩手帖」11月号、
特集の《「手帖」新人欄の半世紀》を読んだ。

なるほど現代詩の時代変遷が
時代順に五十あつめられた投稿詩篇からみえてくる。

それで生来の女好きが作用するのか
女性の詩篇ばかりがよく読めて困った。

僕にとっての金賞が
山下晴代「くぬぎ林」(75.3、倉田比羽子選)と
小川晴子「匙」(01.7、杉本真維子選)。

その他、語調と韻律に感銘したのが
まおかせつこ「ポケット・ウィスキー」(80.2、河津聖恵選)、
斎藤まり子「少女に」(83.10、同上)、
木澤あすか「アイスピンク/オブセッション」(96.6、和合亮一選)、
晋通「ひもがとける」(07.1、杉本真維子選)。

最後のひとは名前からして男女不明だが
語調から女性ととった。

特集を読みすすめてゆくと
うたかたと消えたこれら歴史の女性と
寝ているような気にもなった。

それで上の詩篇を書いた
 
 

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2009年10月29日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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