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手巻き ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

手巻きのページです。

手巻き

【手巻き】


鰻と胡瓜、ちいさな寂滅を酢飯に載せて
晩遠もろとも海苔で巻く。
私は海苔で かく巻いたものを
酒で笹舟にし 躯の彼方に流すが
酒を呑まぬ金柑女房は自ら以上のものを食べ
全身を刻々 海苔で包まれてゆく

わひゃあ、(黒いっ、黒いっ、)
わひゃあ、(中年の歓び・オノマトペ)
わひゃあ、(いまだ汝が別物になれるなんて)

この「夏炉冬扇」仮面が女房の二の腕に
低い鼻くっつけて犬の息吐く、
女房の肥りじし折り曲げて
弓張る力をヒタたくわえる、

聴いたGSがひよめきから漏れている
《泣きぬれる太陽の剣で
あなたを (射止めたい)》
ブルーインパルスなら愛の壮語、
いずれ瞬時にしいられた喪から
病みあがる鰻的[マンテキ]な暑さも抜けない

――なあ佐藤さん、あなたの死後
びっくりするほど不快なブログをみたぜ
あなたが最期に駆け上がった団地の階段、
その激甚な視界変化こそを
あなた自身がドキュメントすべきだったって

映像にしえないものを守る倫理が
浅はかな言葉でかくも蹂躙されたので、
偶然に黒衣となった女房と 私は
《死ぬまぎわの 海に近いもの》を
これから見にゆきたいのだ

そのまえに双つの掌をあわせ、

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2007年09月09日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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