あけび
【あけび】
くろいはっぱのかげにしずむ
はいいろとあおとむらさき
いろがまだらにもならずとけて
かがみのようにくもっている
くものあさににあうおまえあけびは
かぜになぐられてできたあざ
ゆれなければただけむたいだけだ
みめぐりをしぬるけはいでみたすのも
そのなりがくびつりにみえるためで
くるしみはただみのったことからくる
ひとのからだやおもいでにもにるおまえ
たいねつさえもっているおまえら
かたみにくされをきそいながら
どのあきとつながっているのだろう
しろいにくとみだれのたねの
そのうちがわもすごくみだらで
いつもたねからわれようとしている
それがおんなのかくしどころめいて
おまえはけしてたましいのたとえではない
そんなものはあらかじめないのだ
うえきのふきつなまほうというのか
せかいのしんじゅやとぱあずだって
そのすがたをまえにあざけられる
まずはおまえのまるがゆがんでいる
なにもうつさないあけびはともすると
うらがおもてにもなっているのだ
さかしまがふくろとなりほのあかるむ
やがてくろくなってゆくきせつには
わるいしたしみももうかくさない
せんことなってつらなりたいのだろう
そうすればおまえをただまとに
ひとじにのまねもくりかえされるが
そのまえにおまえはおのずからわれて
くるいなくおちることをおちてゆく
うれいのおまえをゆるりゆらせば
せかいのはんぶんだってゆれるだろう