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四方 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

四方のページです。

四方

 
 
【四方】


夢の四方なのではない
四方がすでにゆめなのだ
仮定の中心にいることは
ささやかにして確実な体感
あふれる樹間がひかりにゆれ
風のすみかも開閉するとき
そこに同じものの瀰漫がある
時間のまばたきのようなもの
均質のくりかえしの均質
これが拡がりの姿なので
ゆるやかさに酔った気になって
身が紙ふぶきに似てゆく
この眼も測りのもととならず
方位は遠国のうたげとして
ひたすらとりかこむものとなる
こうした偶成の円によって
身がなきものへひらかれてゆく
風景もただぜんたいとなって
これを着て誰かが歩いているのだ
草獣的なそれに乗る通過する
もう四方でない夢の四方を
とうめいなとうめいがひびき
来たれるめぐみのように
花おんなのまぼろしもすぎる
頭に野花を数かずかかげた
それは雨の調べで聴えている
この身ならたねを投擲している
微音を連れたこのおとずれは
ひそかにあたりをゆらしている
ふたたびの以前にして以後
聴いて経緯も探ろうとするが
縫いあわされて渦中もないのだ
一切晴れわたっているのに
雨中よりもひとりぼっち
方位のなかに聴きが紛れて
眼をはずされたこの四方では
みえないことの幸もあふれる
外にあわせて眼を開閉し
おぼえはじめる出現が
身の均質な生理と合って
すでにもう
血のながれが夢なのだ
 
 

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2009年12月08日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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