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ごしっく透明 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

ごしっく透明のページです。

ごしっく透明

 
 
【ごしっく透明】


ふきぬけをつくった。
家のなかに羽毛の落下領域をもうけ
それをさらに氷結させたのだ。
空気の凍滝に似ていた。
四囲には廻廊をわたし
妙齢の恋人たちでも
いかるすのようなものを感じながら
愛語をかわせるまでにした。
家のなかなのに日傘が要る。
ただし陽光でないものから
身をまもるためだろう。
すいっ、すいっ、としたなにか。
廻廊の要点いくつかには窓もあけた。
そこから遠くをみる者が娼婦だろう。
何重かの要因、往来、
このおかげで家のなかが寒くなり
ふきぬけの角、暖炉も
四階の高さにまで伸ばして
そこで日々伐り出した
高木の杉などを焼いている。
職人をつかう大仕事。散財だ。
ふきぬけのがらんどうには
赤の斑点が数かず踊り
夜などはそれで散ざん夢想する。
ああ以前は蟲だったなあ。
でも背骨に空気のとおったいまは
家の内に無の塔がますます高くなる。
「柱状家」の称号までもらう。
鍾乳だ、わらいがとまらない。
わたしの眼も縦方向だけを感じ
(水平なんて俗情である)
背丈がますます高くなって
おかげで家のゆかへの影が
おもいでのように
さらにさらに薄くなってゆく。
本性がハリガネ
だったのだなあ、わたしは。
いずれにせよもう家に部屋がない。
ただ敷地のひろさの縦には
絶景というべきなのだろうか
しずかな
くうどうだけがあった。
 
 

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2009年12月10日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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