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砂下ろし ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

砂下ろしのページです。

砂下ろし

【砂下ろし】


月に一回、オフクロが
「砂下ろし」の日を宣言して
蒟蒻ばかりを喰わせた
表情の憮然はそこで覚えた。
瞰下ろして 眼下の雲古に
灰色の砂絵を感じては
月ごとに背の伸びる自分も怖くなる
花田清輝「砂について」を読む前だ

甘泉庭園の端に佇つ
血を巡るものが緑陰、
私と私以外がふれあって
万端がざわざわした、痒い

(七面鳥の首を絞めて
悪童が七色に笑う

(打擲癖の婆さん登場
《お前と食べ物は
箸で渡されているのさ
いにしえから箸は橋だよ
ちゃんと使えなきゃお前が摩滅する》
――婆さん、与重郎めいた機転を

打撲の灰色を愛した
「膚のメダル」と謂っていた
《だがお前、世をずれては
眉間の打撲痕もとれんぞ》

そうだ、拭う指あって だから手偏か
掏って、招いて、拌[かきまぜ]る。
手許ばかりに久遠の根拠、みていたな
地の白に 図の白
レダと白鳥の根拠だ

(そこを)装束が通る、人ではなく

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2007年09月16日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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