火事座
【火事座】
幻想行は
冬火事に瞼を縫われてゆく
いまみたものを視野の底に
帰宅後数夜を眠るはかなさが
ながれる砂金とともにあること
燃えあがるどうぶつの姿態なども
風のむこうにおもった
大火災の奥で落下をくりかえす
わたしの包帯やあなたの傷
なかに往ってしまった何かがある
酸素を猛烈にすいあげて
渦で夜空を焼くそういう場は
船火事との類推から
船とただ呼ばれたのではなかったか
つねに流体は逆に昇る
微細なものに火事をみて
わたしあるきが狂ってゆく
ぶらんきだ天体の災厄
凍てついたこの大霊には
とおく髭の星座が対している