詩集はこのようにして出ます
【刊行を予定している詩集『昨日知った、あらゆる声で』の件で
9月19日、書肆山田に訪問して相談をした。
以下ではその首尾につき
小池昌代さんに打ったメールをペーストします。
小池さんが書肆山田に僕を紹介してくれた経緯があったので】
*
小池昌代さま
昨日、書肆山田に行ってきました。
鈴木一民さん、大泉史世さんと具体的な話し合いをした。
決まったことを箇条書きにします。
・刊行時期=本年末か、来年初頭
・部数は400部(場合によっては500部)
・判型・頁数=B6変型(天地を若干切る)で、96頁
(小ぶりのものをという僕の願いを聞き入れてくれました。
僕のほうもふたたび
ハンディサイズの詩集のほうが
愛唱性、再読性が高いという信念を言いました)
・各詩篇は右起こし
(大泉さんの計算では白頁が2頁しか出ない、とのこと)
・一頁14行 聯間の行アキは2行ドリとする
・印刷方式=活版
・制作費〓万(阿部もち) [※ここでは伏字とした]
・定価 訊き忘れました(笑) 今日、訊きます
【部数内訳】
・100~120部=献呈(詩壇関係) 郵送費のみ阿部がもつ
・100~200部=阿部が5ガケで預かる
(阿部は自由に売っていい=サイトなどでの注文受付も可)
・残り=書肆山田が書店置きする
(返品後はここからさらに阿部の預かり分を出してもいい)
・以上詳細は、覚書を交わしてフィックスする
【栞】
・制作する
・書き手は2人
・むろん一人は小池さんに原稿依頼してくださいと頼みました。
・もうひとり、というところで意見が割れた。
僕は岡井隆さんを推したのですが、
書肆山田が現在、岡井さんに重たい仕事を頼んでいるらしく、
岡井さんにこれ以上の負担をかけるのは・・と渋った。
で、福間健二さんはどうか、と逆提案されたんですが、
福間さんは僕の本の絶賛書評をしょっちゅう書いているし、
仲間褒めの感じにならないかと今度は僕が渋った。
で、稲川方人さんの名前が出たが
原稿が遅いからなぁ、と双方で溜息。
ということで、「もう一人」については
岡井さんに当たってはみるけど
現状、ペンディングという色彩が濃いです。
何かいいプランはありますか?
瀬尾育生さんもアリかなあ、とあとでフッとおもいました。
【その他】
初出一覧では
原稿どおりmixiのアップ日を出してもらうようにお願いしました。
ブログ詩だということを自らマニフェストしたいので。
「詩人」のみなさんは
ブログ詩の是非につき色々かしましいですが
僕はブログ詩の可能性を信じています。
それと昨日は「あとがき」の話をしわすれました。
大泉さんの算定した96頁には、
「あとがき」を織り込んでいるのだろうか?
これは、今日、電話で確認してみます。
実は僕自身は
「あとがき」に何を書いたらいいものか皆目わからず、
「あとがき」はオミットしたいとおもっています。
そのための初出一覧、というか・・
小池さんはどうお考えになります?
問題は一点、謝辞が抜けることなんだけど
*
小池さんの後押しが効いているみたいで
話は友好裡、トントン拍子に進みました。
大泉さんが、詩集の全体の台割りや制作費を
すでにこの段階で完全に掴んでいるのに驚きました。
仕事がすごくできるひとですね。
病み上がりということでしたけど、
だいぶお元気になられたみたいです。
僕の詩集は書肆山田では出版予定の詩集に割り込んで
繰上げ出版のかたちになるのですが、
お2人ともすごく僕の詩を評価していて、
社内的な問題はない、とのことでした
(興味をもたれて、僕の詩的来歴をいろいろ訊かれました)。
部数400部は書肆山田のほうの苦肉の策。
僕は300部でいいのでは、といったのですが、
詩人ではないゆえに逆にある
僕の特殊なヴァリューが気になっているらしく、
通常の無名の人の第一詩集などより売れるのでは、
と見込んでいる様子がうかがえました。
で、僕のほうも授業で売ったり、
三村さんのライヴで売ったりします、と約束した。
一応、来年3月くらいに
僕のマンガ評論集とブログ本が出る予定なので
何かそのときに書店イベントができたら
詩集もアピールします、ともいいました。
逆に書肆山田のほうには
僕の本の置かれている映画本やサブカル本のコーナーに
詩集を棚ざししてもらえるよう書店営業してほしい、とはいいました。
ジュンクなどは僕のコーナーをつくる、といっているので。
だいたい、そんなところかなあ。
ともあれ、すごくリラックスして話せました。
自己負担額も織り込みの範囲内だったし。
みんな小池さんのおかげです。
気の早い話だけど、いずれ、
小池さんに栞文の依頼が行くとおもいます。
その節はよろしくお願いします。
じゃね
ほんとうにどうもありがとう
阿部嘉昭拝
*
【その後】
小池さんからメールが来て、
「栞の第二の書き手は
阿部さんとまったくつながりのないひとがいいんじゃないか」、
藤井貞和さんはどうなの? と示唆を受けました。
嬉しい示唆です。
で、第二の書き手候補は
大泉さんと相談の結果、
1)岡井隆さん、2)藤井貞和さん、3)瀬尾育生さん、の順になりました。
いずれにせよ、
栞原稿の依頼はゲラが出てから。
気の早い話をしすぎていますね、たしかに(笑)。
その大泉さんからは
「あとがき」はやっぱりあったほうがいいと説得されました。
これから書きます、400字。
たぶん必要事項だけになるのではないか。
定価については判型・頁数からして
2000円内外で考えていると大泉さんはおっしゃってた。
最終的に制作費が確定したらそっちも確定したいのですが、と。
むろん承諾しました。
学生に買ってもらいたいので、2000円を切れるといいのだけど。
あ、判型、わかりにくいかもしれない。
書肆山田の本でいうと、だいぶ以前の本を例に出すと
入澤康夫さんの『歌・耐へる夜の』などと同じです。
*
昨日の詩集打合せにつづき、
今日夜はブログ本の具体的打合せを烏山で。
歌人盛田志保子さんの旦那の倉田晃宏さんと会う。
そのまえに大中君に焼いてもらった七尾旅人を歌詞なしで聴きつつ、
セレクトする記事を考えてみようか。
何か、今日は前向きの仕事ばかりで嬉しい(笑)