言葉なき歌
【言葉なき歌】
あの丘のみどりは
青ぞらがかぶせたという
帽子的な地上だが
失笑によりなにも咲かない
そのほかにも光学上
青くみえる場所がある
だれかの髪の毛の
ひとつかみのような
悲鳴をおびた奥
そこに梯子が
さらなる上をのばしている
あれにのぼるのは
逆さ尾といったものだ
たつのおとしごのすがたで
日が暮れるだろう
ひとつの像からは
内在の鏡だってわかり
意味をみていない視線が
動物磁気をこぼしだす
内側にいっぱいの反映
こぼれの粉は 途方ならば
顔の夕焼に撒くしかない