轢かれるホームレス
【轢かれるホームレス】
暮れた鉄路にリヤカーを引く。
荷台はもう斜めになってしまい
さんかくのものしか載っていない。
とりわけ筒状物が過去へとかえった。
さんさんとこぼれおちるもので
わたしとリヤカーの足跡はつくる。
からだのまんなかが透けてくる。
八王子と西八王子間の高架
水へびのおよぎを多様にふくみ
空気のながれともつれる
とおいひとすじであろうとする。
みぞおちにひかる水がたまる。
いのってなどいないが
北野あたりの二〇一〇年に
屑とひきあう星の柱も青光る。
きこえない笛の音のよる、
筒から柱、をそれで標語にする。