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単飛 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

単飛のページです。

単飛

【単飛】


あんたが見ている白は
俺が裏返している肌
日暮れまで予感していた
あんたの眼底のすべてだ

丸め込み、折り
抱き寄せると
あんたは汐い息を吐き
寄せる波も俯瞰させる
今日はまた
極端に折られて
腕許にちいさい。
入り込んできた珠のように

物音ならば
ざくり ざくり
茎を剪る音だ
《十四五本もありぬべし》

今日の餞別には、
このロボットの躯から
円いものを出す
「息を抜いた」かも。

講義用テープをつくり終え
夜の新宿に繰り出した
単飛の鳥となりゆくも
うすれて、べつの水脈を

会うひとごとへのキス
尾花が網膜に光るまで
あらゆる擦過に
乱倫傾向をまぜる
まぜかえす。

単飛の鳥となりゆくも

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2007年09月26日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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