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山賊 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

山賊のページです。

山賊

 
 
【山賊】


髪に蔦なして 渦を生じ
鳥をだます者となった。
ジキニ拡ガルケムリ、
樹々のきざはしに目白を遣って
目の周囲を黒くせしめた。
鶺鴒を 飛翔の瀧にもした。

竹林ではない、それは隙間だ。
見ぬすずのねを振っている。
くびのわがひえてゆく。
托卵の気配。世上は只事でない。

けっきょく行も輪だから
半閉じの魔法にさだめ
つぎ来る者にひからせる。
ある日あるきがこだまする。
そのように川辺から芹を負って
自らの眼を騙していたのだ。
斜線数個を鴨に感じる。

眼底に舌が吊りあがる。
鳥のくろい、美貌になる。
偽言ハ翻ル馬偏ナノデ
はるの馬車が往来するだろう。
慢心に円を。空はひくい。

もう陽光に影がいくつかある。
そのどれかはどうでもよく
来るものは今ニタイシ多重だろう。
梅が散っていつも多重だろう。
 
 

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2010年03月11日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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