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降嫁 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

降嫁のページです。

降嫁

 
 
【降嫁】


天国ということなのか
渡る青さを誇りに代えて
塩坑ではたらく子どもたちは
塩の岩を地上まではこぶ
きらきら通ったあとは
下りるのがいつもの仕事
このとき肩がひきつれるので
落着きを得るトロッコでは
たがいの涼しいならびで
「在ること」をただ
冷やしてゆくのだという
衣を流れる筒にして
手だけを霞ませる悦び
蜜が良い速さで行き交う
風の日ゆれる花圃に
かれらが似るから
線路脇にも玉葱の花をみる
かれらの言葉はおおよそ
「泣いているね」
「それは君だよ」
坂へつながる地上に着く
炉で温める料理ならば
料理という埒は何
なにかの硝子だろうか
あすの太陽を蒼くするため
さかなは母にあげて
球根だけを食べるのだ
筋肉はもやさない
静かな家に入っても
胡坐のままでいる
下りるのがいつもの仕事
  
 

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2010年03月23日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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