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イメージは踊り場にいる ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

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イメージは踊り場にいる

 
 
【イメージは踊り場にいる】


横たわったからだの底を
銀いろが刷〔は〕いてゆく
ただひとつの輪郭が
そうしてあやうくなって
自分が春光の壜ならば
口先から、きのうの水を
吐いているだろう

折ってうまれる草府、
おりがみの奥に
さみしい灯りが生じて
寝そべりはそれを凝らす、
聴いてもいる

相手を分身の場所に
置けなくなっておぼえた
階段中、
踊り場のしずかなこころ。
すこうし息を切らして
裏返しになったものが昇る
自他のどちらかでも
魅了はたしかに乱脈にある

昇りをしているそれが
ことさらに重力をうしなうとき
春からは、からだではなく
衣がうまれだす
いろいろの木陰を。
 
 

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2010年04月14日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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