fc2ブログ

生きていたころ ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

生きていたころのページです。

生きていたころ

 
 
【生きていたころ】


生きていたころは
あゆみに葉擦れをもった。
牽引されるものが
影になるのたとえどおり
いちごのしろい花に
みめぐりまでをふくむ
時計円を映した。
人の生〔よ〕は何時だろう、
最初となかばとをつなぐ
十時が好きだったと
感じていた、鼓動して。
雨日には総身で泣く
わびすけを見下ろした。
自分のかわりになるもので
むかう距離がみちていた。
それを焦げながらあるいた。
はやる旗のようだった。
生きていたころは
春のさむさのなかで
人らのあそこが
ともしびともおもえて
自分のあそこをつないだ。
日々があかりになった。
季節の配下を認じていて
ひとりに多くの
なまえを呼んでみた。
身に幾つかの年齢がある、
このことが胸と胸をあわせ
雨どいにひびいていった。
いつのまにか遂なる未知と
部屋にいて、互いを反り
舟を長くだしていて
それが生きていたころの
かたちに似ていた。
そう、生きていたころは
分立にかたちがあった。
ある経過だったそれも
ぜんたいで離散というか
はやる旗のようだった。
寂しくざわめいてた。
 
 

スポンサーサイト



2010年04月15日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












管理者にだけ公開する