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短歌演習のために【2】 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

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短歌演習のために【2】

 
 
薫風はそもそも人の影なれば大楡のもと数千〔すせん〕の者ら



湖〔うみ〕ごとに胸より骨をとりだして憂曲を吹く女〔をみな〕とならう。



レアチーズケーキのレア部に匙を入れ新鮮はなんと暗い奥行き



郵便夫がゆきくれに見る葉のやうにことばは咎〔とが〕を取巻いてゐたい



きみの前に佇つてゐるのは香木の匂ひ涸れたる春の棒、ぼく



うつくしい死は一盞〔いつさん〕のうま酒の底にひろがる白柔毛だらう



丘の字も丘といふには足りぬけど、この抱き合ひも遠くから丘



弁明をしながら腸〔わた〕をひもといて屑に似るべくきらきら死んだ



枇杷を乗せた掌〔て〕のおもたさを忘れない。きみのちちぶさつかむ春夜も



湯のなかにわたくしがゐて、わたくしは奇病の脂、浮きやすくして
 
 

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2010年04月23日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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