平穏、音楽的停止 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

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平穏、音楽的停止

 
 
【平穏、音楽的停止】


ろくがつも花の多い季節
フィルムのなかをあるいていて
ひかりと場所の断裂をすぎた
塵も髪につもってゆくので
あゆみは停まらなきゃならない
このときに身が音楽になる
あるいは鮎にもなったようだ
風位を味方につけたこの佇ちが
八方を水流にしてゆく嬉しさ
身に婚姻色のあるということが
あらゆる周囲を誘発していて
旅びとは銜えたパイプを多孔に
けむりの水流をまきながら
おのれを発作しなければならない
発作のひとつはいつも性愛だが
フィルムが内にひめる自らの形象を
おもわず誤ってしまう痙攣だって
このことばの沈黙に課して
くちびるから虹を吐かねばならない
そのためにゆくあの樹下だろう
 
 

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2010年06月10日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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