野に置く本 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

野に置く本のページです。

野に置く本

 
 
【野に置く本】


野に置く本には
うすものの用例が書かれ
それが恋句と読まれてしまう
まどろみつつ読む本は
ひるがおを掻きわけ
ひるにひろうしかない
盲目性がすべて読んでいる
いらぬこころがもてあまされる
人心はながれてゆくだろうか
だとすればけっきょくは
はんかち、のようだ
読んだ人どもはすれちがい
花の香がみちてゆく
何ごとかを小脇にかかえ
野をいそぐ人のうらさみしさ
読んだことが唄うことへ
ちいさくすりかわってゆく
けれど記憶はいつも
秤にのらない空白となる
なんにもなくなって
「本のなかで声をあげる」
このとき野は円いのか
もじの茸のすきまに
ひるのほし、いっぱい
 
 

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2010年07月07日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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