愛の真夜中 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

愛の真夜中のページです。

愛の真夜中

 
 
【愛の真夜中】


稲から立ちあがり
夜空の背丈になった巨人が
気胸にもだえながら
むなしく妻を呼ぶ
とうぜん応えもなく
呼びは呼びじたいに収まるだけだ
むしろそこにあらわれる
音と光の深甚な分離が
階段状にみえる天界とともに
欲望のかたちを表していて
かすかな電撃となり
地上の植生へ普及してゆく
ぜんたいが髪だとして
神なるもの
これもまた分離なのだった
なんとなれば
劣性の白さるすべりは
こまかな花をちらすけれども
赤いさるすべりは
雨のよろこびに全身をゆらし
いちようの夜が
激性によってわかれることを
きらきら肯っている
はじまりの
あらゆるものが視える
 
 

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2010年07月23日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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