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金木犀 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

金木犀のページです。

金木犀

【金木犀】


かどをまがると
べつの秋があらわれる
垣根沿い ゆくあゆみ
だがときに足なくて
垣根へかくれ

ころん、
秋なりのかげも
午後がふえて
片踏みに銀のうつる
いつでも片から方へ
身をとおしたが

ひょうたんの鳴るきせつは
明視のそこがぬける
さざんかの垣根も
ひなの蓋どころか
天体へのきざはし

ころんころんと何処をあるいて
うすまるよ、秋が
千のからだ並べる白が

順番に金木犀見ゆ破滅以後
くうかんの序列が
ふもとまでしるく澄む
くうきも香りにかわり
いまさらすこし死ぬために
いまさらすこしそれを吸う

おもいだすなかで
金木犀のかずとおなじ
かぞえればはつ恋も
十指にあまりだす

十指の花に

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2007年10月16日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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