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鹿島灘 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

鹿島灘のページです。

鹿島灘

 
 
【鹿島灘】


ピアノ曲の発祥のように
はじまりのほとんどは家族なので
堤防にとおくすわるあなたの中身にも
樹木がくらく生い茂るだろうが
あなたの葉の数は鍵盤よりすくなくて
だから夕風にゆれているのも葉ではなく
枝だったり幹だったりして
あることとかたちがそこにくらくひとしい
ゆれの起点をふやそうとして風景が
時間の層となってぼんやりと加担するとき
川らしきながれがうまれつつある
あなたの向こうの海沿いにも
地球形のおおきな湾曲があって
千単位の街灯が弧だけをえがきながら
情にならない情を点在の鎖にともし
それであるものとないものの区別を消し
さらには抹消的な海鳴りまでかすめるから
空もまたようやく星の発生を気配する
これに気づくとにじむもののあたたかさなのか
あなたの家族らしきものすら
背後にはふかくふえているのがみえたが
それは家族ではないだろうたんに星群で
このときのあなたの手前という位置も
ふるい瓦斯の揮発前をおもわせて不意にかなしい
 
 

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2010年08月20日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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