総数王 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

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総数王

 
 
【総数王】


沈下橋、あのうえで寝たい
空までの高度を仰向きの寝で
はたしてどこまでと定めるかは雲と星のながれだが
層の底、横をみちてくる川上からの水の気配が
個数四万十あるとはささやかな夜の音につげられて
目移りをもらえないないほどに明度もないこれら躯が
それでもすぎてやまない草魚のにおいにふれて
ゆく鮎たちにも背をかすめられてゆれる
ただの暴虐の、数の王となるだろう
まるでめぐまれないのがはずかしいが
王も個体ではなく乞食からのとおい総和だから
身のなかの星で夜空を呼びかえすため
すぐにも沈む川面からの位置がひつようで
みんなというあつまりさえ場所というよりも
すでにそこからの霊的な数にほかならず
ならんでまっとうする身の沈みも距離に投影されて
摘出のようにやがて空に貼られてゆくだろう
うえにするものはいつでも身だ、やくざな洗濯だ
腹も網にかかっていたものでちいさくくちて
空位とちがう在位はこのように空前の底にあった
 
 

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2010年09月02日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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