車中 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

車中のページです。

車中

 
 
【車中】


まさおのうみを背景に
所在なくゆれるほおづえの片陰がみえて
湾曲するものがその内らに
婉曲までただよわす経過もながめられたが
なにが畢竟かをかたれない離れたところの芯熱が
たぶんすぎゆくものを胸から胸にとりのがし
不意にきらめく小ざめのようなものまで
こころの布へ通すとただ窺えるから
こちらの視野もその者のためにその者を名指し
区別の墓をのこして消えるしかなく
からだと墓とが照りあったことで
身のすべてをめぐりにつたえるあのかたちですら
その輪郭特有のかなしさから
しずかにたかくそびえそめた秋へと
ありどころがありどころにかえるように
おさめられてゆくのみとおもわれた
 
 

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2010年09月17日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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