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風来 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

風来のページです。

風来

 
 
【風来】


はらわたのすけている小動物のように、こどもは秋のさきゆきにあ
ふれかえっている。さきゆきの語がさきわいをおもわすのは、こど
もたちのならす脱糞の音が、ぼきぼきという断絶音とは程とおいか
らだ。なにもかもを銀しゃりのながれと聴いて、米ぬかに沈みきっ
たちいさなてのひらが、ふれるものすべてをオパールにする昼間で
も、土がおくゆきからてまえへと手早くうるおってくる。収穫のあ
との秋雨ときびすをそろえるように適度にぬれるこのときの生きか
たも、きっと落とされた俳句の隻句調からさみしくひろわれただけ
だろう。日々に風の方向というものがあれば、みな方向となって地
平にきえている。もともとは夏田のみずのきらめきからうまれたお
子たちだから、なにかを返すために四方を生きて、かれらの背負い
籠がかわいた蛇皮だけでみちるのも、むなしいけれどもうなづける
のだ。山の掃除をしているかれらそのものが、樹下の埃にみえると
き、掃除がひとつの殺だと、かれらをふりはらってゆくおおきな手
もある。道端へころげたひとりが、ねむりからさめた、幼年のわた
しで、わたしだけが通り抜け下手だったため風来的往生をうしなう。
 
 

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2010年10月25日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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