FC2ブログ

ロバートソン ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

ロバートソンのページです。

ロバートソン

 
 
【ロバートソン】


碧眼の地というものがあって、そこでことばを発することもある。
人世がいよいよ喫茶ことばになって、こぼれおちるだろう葉のはな
しばかりが、鞄からとりだされて愉しまれる。わらいかたにも老齢
があふれている。六八年にわかさの栄誉につつまれていたバンドの
帰趨なども、独立記念日と泥棒との三題噺となって可笑しい。なに
が銀色かがかたりつくされながらも、なんとか会話内容が三角形を
たもつように、機知が導入される。さみしいスージーはいつ死んだ
か。あるいは性から追放されたひとびとが、伴侶とのみ卑近につな
がれて、のこされた添寝でいかに枯草を嗅いでゆくか。そんなやり
とりで炭酸水の盃をかさねるうちには、碧眼がさらにきわまってく
る。もともと死を直視せよと子供時代からいわれていた眼だが、そ
の残量ももうすくない。円卓のまわりには車椅子がひかり、これら
が人生の秋の構図だ。ほほえみすぎて視線がつづかなくなると、み
なピックアップトラックに連れ立ち近郊に出かける。葉巻を捨て、
半日かけた冷泉療法がはじまるのだ。ぬるりとした水に足を浸しつ
づけ、そこにいるのも、かれらのすがたをした想像的生だけとなる。
 
 

スポンサーサイト



2010年10月26日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












管理者にだけ公開する