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霜のうた ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

霜のうたのページです。

霜のうた

 
 
数日、家をあけ
帰宅してみると
立教演習連詩は
ぼくの順番が来ていた・・・

さっそく書いた。
旅のおもいでをすこし盛った。

この連詩は班替えののちの
第二バージョンというべきもの。
第一バージョンは
さきに完成した旧C班から
アップしてゆきます。

数日後、かな?

アップ先はたぶんぼくのサイトのほうです。
その際はお報せします



3【霜のうた】
阿部嘉昭


草千里 九重、いちめんの芒が
灰をかぶっているとみえるのは霜。
こころの灰を灰汁にする泪をいっぱいにして
朝にだけ現れ、やがて消えるおもいでが霜。
馬が炎えているなんの蒸気かいっしゅんのけむりがはしり
おいかけたところがしろく事後になっているのが霜。
星をかぞえるようにしてつみあげていった何ものかがあり
湯でつるつるになった膚を握りあっている一握が霜。
がらんとしたやちまたをとおりぬけると山茶花だけがひびき
旅のあかしに軒先へ置いてゆくのが、はがきいちまいに似て霜。
とけるってなんだろう容易ならざる生が里程標に縫われ
あれらまぶたすら刺繍しだすいちれつの擦過も、
つまり消えるだけの仄蒼いものも、
あらゆるあいだをうめる霜だろう。
 
 

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2010年11月21日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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