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逆立ち吹奏 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

逆立ち吹奏のページです。

逆立ち吹奏

 
 
【逆立ち吹奏】


腕と脚のながさのちがうことが
われわれの逆立ちしない理由だというと
それはましらか植物の論理だわと反駁される
「あなたの顔ってなんなのよ」
知らない、きゅうに日差しがあふれて
そんな自己凝視にたえられないのも
そのように世界がしくまれ
いちょうの絨毯が地表をずれまわって
ろんりがさみしいほどはやく
変転しているからだとつけくわえると
「その言い方には、からだがあるわ」

そうか。からだがいちばん。
われわれといういいかたがごうまんなら
ぼくじしんは逆立ちしないことで
直腸そのものにまで退化したのかもしれないが
クエスチョンマークは木立の突端部にあつまって
そこまでをふくめれば
ぼくのからだからでる疑問も逆立ちしているので
いちょうの大木の腕と脚がどこにあるのかしらないが
気圧と血管が世界の構成要素だということを
葉のすべてを落としかかったいちょうも
けんめいに表現しているとおもう
「その言い方には、こころがあるわ」
「うん、良い風がふいてるよね」

でも言い方はそうでバッジをもらえるにしても
逆立ちしないぼくには
もう、こころとからだの連関などないのではないのか
けんめいに生えているじぶんがみえないのは
眼のつけどころが幹のなかにもぐっているからです
そのうえで世界の深部には精管ものばしたいです
「ああその言い方には、袋があるわ」
ならば袋のくちをひかりにむけ きんいろの音色で
腕と脚のながさのちがう
一回性のいちょうラッパを世に吹きちらそうか
 
 

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2010年12月03日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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