鷹匠
【鷹匠】
あいてをかすめ
まいもどる
ぶーめらんの論理で
いくつかの首をきってゆくのは
ふゆの教室のさみしさだ
わたしもふくめ
みんな枯野にいる
それがだれのゆめなのかを
風になびくだけで
恍惚とする髪の
すべてが知らなければならない
むかしがかすめられている
むかしが散っている
眼にいましかないということは
しんじつ盲目だということ
ただよう陰謀は教室がすでに
羽根の香をしているこの冬にあり
そのなかで点であることが
身の帰りをそれぞれにしてもいる
さしむかう場所に
十二月の谷のなかの
吊り橋がえらばれたとして
だれの投げかを告げぬために
ぶーめらんはそこを
凶器のようにとぶだろう
橋上者をじぶんの
ゆいいつの眷属にするためにも
ぶーめらんはとぶ