FC2ブログ

苦痛について ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

苦痛についてのページです。

苦痛について

 
 
【苦痛について】


苦痛においてわたしが生ずるとあなたはいうけれども、むしろそう
いう苦痛とは脱個性化の契機ではないだろうか。たとえば植物に苦
痛があるのも自明だろうが、植物は領地をうばいあった果ての、曖
昧模糊とした植生の連続相として地上にいつもあらわれていて、そ
れ自体ではおさまらない延長をたえずもつ点にその苦痛がむしろ拡
散されているとみえる。だからこそたとえば乳房をもつことで苦痛
をかんじるあなたが植物の群生地をあるくすがたにも、何と何がつ
ながるのだろうと予感してひとが陶然となるのだとおもう。ひとを
自分を、植物のなかに置け。ただし庭師はそれだけでなく、歩行者
がたまさか草の実をつまむ所作をつうじて、苦痛そのものが人のか
らだの外側で作庭されてゆくふくらみをも、自分の作品につけたし
ているだろう。歌の用意を。やがて苺の花が微風にゆれだす時節だ。
 



 PDF詩誌『四囲』3号がアップされました。

 目次は以下の通り。同人の課題は散文詩です。


「たぶん、きっと」長谷部奈美江(ゲスト)
「桃」飯田保文(ゲスト)   
「ふちをたどれど」(5編)高塚謙太郎
「大川」(4編)廿楽順治
「遠さのために――散文詩のこころみ」(5編)阿部嘉昭
「きざはし」(4編)近藤弘文
後記

サイト「改行屋・廿楽商店 〈この世〉支店」で公開されています。
URL http://tsuzura.com/konoyo/


ぜひご一読ください
 
 

スポンサーサイト



2011年01月17日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












管理者にだけ公開する