かばんのある散歩 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

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かばんのある散歩

 
 
【かばんのある散歩】


かばんにささえられて
あるいてゆくと
空気がかばんにはいってきて
自分がどんどん内側になってゆく
空といっしょにあるこの内側が
なつかしさの正体だ

たしかにかばんのなかには
いまはないがあって
詩想をかきちらしたまま
きえていったあれら手帖も
ひとつのおもかげだろう

整列するのはじつはむしろ
おんなのたしなみだが
きえていったものの整列が
むこうにはいつまでもみえている
かばんはそこからひかりをとって
ゆっくりふくらみつづけ
自分のあゆみまで空気的になる

ありふれたにある脱力
かばんの閉じをひらいて
道ばたに置いてみると
かばんから空へけむりみたいに
空漠もひろがってゆく

まほうなのかそんなふうに
かばんのかたわらで
ほんとうの内側のひとになった
 
 

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2011年01月26日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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