くじら
【くじら】
ゆみ。あれは。
あれはよびだせないが
とおさであることだけはわかっている。
まるさがまるさをささえる
かさなりのひかりであること
わすれられないなまえのなかに
しずんでいるわらいであることもゆみ。
たいらというたいらをおおっている
なみのあれをみつめていると
からだのなかにかんじられてくる。
ゆみ。あれには。
あれにははしらがつらなって
すきまもすんでいるようだ。
すきまがたもたれたまま
ぜんたいがどこかへながれてゆくみたいだ。
ゆみ。じぶんをしぼって
あれへむけてひけ。
こえをあたりいちめんにしぼりとれ
おんがくのかなしみをゆみ。
このほしのおおきさにわかつために。