厄鳥 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

厄鳥のページです。

厄鳥

 
 
【厄鳥】


鳥が除外されている災厄は
ぜつぼうだろうか希望だろうか
大地をゆれが襲い津波が覆ったとき
襲や覆といった怖い字の
どこにも鳥はいそうで既におらず
飛翔とわめきがみちていただろうに
その空もひとの頭上にあることを
とかれたまま鳥以外をひかっていた
鳥は一瞬を大量にきえた
みえないすきまをただ怖れのまま
鳥たちがながれ森をめざしたことで
みえなくなることを神性のように得たが
それでも鳥もしろい海鳥も
軒や岩にこしらえていた巣をうしない
肢をたたみ数夜をとびつづけて
どんどんただのうなりに近づいていった
そうして津波よりも波長のながい
音楽にのみなろうとした
森をやすみの場とすらしないで
災厄後ひかりつづけるめまいの空を
自分たちすべての巣窟にしようとして
鳥はあらぬ方向への伝達となっていった
そのように散ることは崇高だが
これら伝達はことばでもないのだから
ことばの内側のような場に
ひたすらにぶく蓄積されるだけだ
場が場をうしなって絶望光を発するために
鳥の群生がかりだされるとは
この世の分配のためのなにごとだろう
おおくの鳥はまだとびつづけて
るふらんと見分けがつかなくなっているが
鬱血をこのむ魔族が鳥のうちにはいて
それがはじめに瓦礫を巣にしようとする
そのような分配が生じる気配に
こころなどなかった鳥までもが
すべて悲へと染められてしまった
 
 

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2011年04月06日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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