音の沖 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

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音の沖

 
 
【音の沖】


音はひかりより運動のにぶい同時性で
それじたいに遅差をふくむ空気にすぎない。
だから音は場所へ定着するように消えて
ひかりが永久に経巡るのとは出処を異にする。
じっさい音は響きつづけてはなくなった。
音は躯が健全のときは波とかんじられるが
心がよわまる晩期はけむりとなって眼に傾く。
音と弁別できないかたちでなかに人も居て
人であれば終わりない連奏へいたらずに去り
あとにはつねに感情のゆらめきがのこった。
そんなゆらめきをさそうものとして波間の
弦楽器、木管楽器のくらいうかびも懐かしく
相馬の沖は凪ぐ、人たちのように凪ぐ。
 
 

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2011年04月22日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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