てがみ
【てがみ】
おたよりは かかれたことばに
いつも おもいがはずかしめられて
ゆきさきを あやまる
葉っぱとなって まいこみ
まどべで しずかによまれて
てもとの時間と 天上の時間とが
あめあがりのかなたのように
あかるく ずれてゆく
あかるいなあ
ずれてゆく
わたしはあなたのまえにいない が
けっきょく かかれてあることの すべて
だからどんな もじ にも憮然はある
あくぃなす『大全』の第五〇問題から第六三問題
あれら 天使論のあつくるしさも
おたよりでいつも くりかえされる
そんなもんだいをつぎつぎかぞえれば
それじしんが それじしんに つぎたされ
せたがやく
きたからすやま の
このひとみが あかるい
これらがどんなに つみかさなっても
あなたのかくれている
森にならないということが
めにできる
あなたの葉っぱの
あかるい ずれ
あめあがりの
葉っぱの きらきら