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接線 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

接線のページです。

接線

 
 
【接線】


じてんしゃにのって
ぎんいろになってゆくのは
やがて枇杷のみのりがながれつづける坂道
ななめにもてあますということが
じてんしゃのりの姿勢で
こんなふうに風景にすべりながらくっつくのは相当はずかしいと
ぬかるみの のりしろまでもを俯いてすぎるけど
おんなのりでは
風の尾っぽがぜんしんにつけられたようで
もっというなら 万人になってすすりながら
ところてんそのものを責めてもいるようで
かぞえられるものには とことん疲れてくる
だから ところてん式に枇杷など
そのすぎさりへとかぎりなく生る、生るだろう
銀輪をまわすひとのなかでぼくはじてんしゃをすべらせているはずだのに
じてんというもののけだるさからしまうまをおもい
さばんなで先遣隊の懐中時計をひろった命知らずはいるだろうか
と 発熱三日めのようにまぶたのうらをぎんいろにしてゆく
ぼくが返すと それはひかるよと
いろんなものにまなざしだってなげるけど
風景をすまきにする気合で
目をつむり 坂をじてんしゃでくだってゆけば
めだままで枇杷になっているのだから
エロ本をめくっているきぶんにだってなる
ひかりにうかぶおっぱいのしずか
身近にみえるものは身近ののりまきだ、なんて
かんがえのわきにもかんがえのあるのがもどかしい
きっとめくれているのはぼくのからださ
ともあれじてんしゃから車のとれたじてんで
線になりながらにおいだらけの午後を浴びて はしる
 
 

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2011年05月19日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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