少女期 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

少女期のページです。

少女期

 
 
【少女期】


跣〔はだし〕になると
そこからはだかが現れる
自分のからだをささげもち
とおく天からも曳かれて
世のしろさをあるきゆくには
この跣がちょうどよい
あしのうらが風にとんで
足の甲が地に時計まわりになるころ
あしのうらと足の甲のあいだが
あるくようにひろがってゆく
便りしたわたしの消息にも
はだかがしたたって
しるされた文字がものうい
ひとにさしだす手紙を踏んだので
あしのうらだらけの夏だ
ゆあみまでのときは
あるきにただ跣をにぎられる
あれはしろい葉をしげらせる樹
木橋の欄干にひこばえる花
まぢかには小屋もあって
そのなかの樹としてわたしは
しめり気となるまで跣をにぎられてゆく
生ける気配をまきちらしすぎたことは
塵のようななんの咎だろう
やがて跣から骨に沿って
わたしの塔が細くされてもゆく
まどの外を風がゆっくりわたって
その風のながれを代理しながら
跣の色をした溜息をつく
もうそこに貌はない
 
 

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2011年06月16日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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