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ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

迂言

 
 
【迂言】
 
 
迂言にてそのひとはかたる
おそらくは朝まだき
だれかだれかの門口で
 
わかさとおごりのころは
日のおちるはやさとおなじに
ひろい原で西へ馬を駆って
ゆうやけにありつづけたこと
 
そうしてとぶリボンさながら
とおくあってうれしかったこと
 
ましてや犀の群れをひとみの奥に
おいてしずまるかなたすらあり
その沼水も翅にみえたのだという
 
ふりかえるからだはおんがく
 
水漬くやなぎの枝のように
ひゆとはいえぬ些細がゆれた
 
 

2019年06月02日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

ほぼ

 
 
【ほぼ】
 
 
ほぼというおばけがいて
ほぼそんざいするとかけば
およそそのおもかげがしれた
 
そのかみはものさしのめもりの
はざまなどでうめいていたが
 
いまでは夏木立そのものを
夏木立にあっていなみつくす
おそろしいなにかとなった
 
炎暑が景ではなくゆれにみえ
おおむね伽藍というときの
じゃばらめいた象限を
列のひとりながらゆきかう
 
すこしうたいながしたが
もうわたしもなくて
ほぼが、略が、のこってゆく
 
 

2019年05月28日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

タブララサ

 
 
【タブララサ】
 
 
うつくしいひとなら
まなざしを眼であらわすが
すぐれたモデルは
からだで視線をつくる
 
白紙がかおにあらわれきえ
その律動がたましいや
ゆうれいにみえたりもする
 
からだとかおのかくめい
 
そんざいひとつがあり
それだけでめぐりが
ふかいふちのようだった
 
けれど表情のタブララサへ
やはりまなこはさだめられる
いまみているよるの点を
うみの破船とおもわすために
 
 

2019年05月22日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

不穏

 
 
【不穏】
 
 
ありがちな男とおんなとなり
菖蒲池のほとりをゆけば
ぼやける像もみなもでうごき
 
さかさのわたしらをとおみする
まなざしまでかんじてしまう
 
愛のため、ただ動静していたが
ふたしかな同道はすがたを
しぐさへ溶かしてゆめのようだ
 
つましく二幅でとおすこと
 
七曜のふしぎとまざりあって
うしろにリラがしろく咲き
 
ひとり欠けだしたときの
不穏さえついにえがかれて
池はみずからをとおくゆらした
 
 

2019年05月20日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

すあし

 
 
【すあし】
 
 
あしゆびがきみわるいのに
すあしのひとをうるわしいと
かんじるのはなぜなのか
 
はだしがどんなあしはらを
さまよったかに歌がともない
その音階を、さまよいのたまを
ささえたいとねがうゆえだ
 
このてのひらにのせれば
かかとはほねのすずを
ひかりちいさくひびかせて
 
地にそらがおりたときの
醜の反転、あのかげろうが
 
ひとよりもしろくうかがえる
 
 

2019年05月16日 日記 トラックバック(0) コメント(0)